2022/12/21

【事例解説】タイアップ記事広告を活用した立体的企画 − 効果を ”見える化” する方法 −

#タイアップ広告 #デジタルマーケティング

今回は、タイアップ記事広告を活用した広告事例を解説させていただきます。

タイアップ記事広告というと「料金が高そう」「本当に効果が出るの?」といった疑問をいただくことがあります。
そんなタイアップ記事広告を立体的にとらえなおし、効果を”見える化”した事例となっています。

実際の事例をもとに、なぜ行うのか、どのように効果を証明していくのか、といった部分に焦点を当てて解説していきたいと思います。

本記事の内容は、講談社が運営するデジタルマーケティングサービス「OTAKAD」をベースにした企画構成のご紹介となりますが、

さまざまなキャンペーンに流用できるように解説しておりますのでご参考いただけたら幸いです。



企画構成の全体像

これから解説させていただく事例は立体的で複雑な構成のため、より理解がすすむように構成の全体像を図式化しました。

以降の解説もできるだけわかりやすく努めておりますが、読みすすめていくうえで時折見かえしていただくとより理解が深まりますので、ぜひご活用ください。

【事前分析】タイアップ記事広告切り口の決定

まずはタイアップ記事広告をどのようなユーザーに対して、どのような切り口で展開するかを決めていきます。

講談社ではさまざまなジャンルを扱うメディアを運営しており、日々100を超える記事を公開しています。すでに訴求商品についての編集記事がある場合、その記事の閲覧ユーザーがほかにどんなことに興味があるかを調査していきます。

また、取り扱っている編集記事がなかったとしても、すでに策定されているペルソナをもとにセグメントを作成し、そのユーザーに対してパーソナルメッセージを送ることが可能です。

たとえばそのユーザーが講談社webメディア上に訪れた際に、

  • 特定ブランドについて認知しているか、また購入意向があるか
  • (購入意向があれば)どれくらいの頻度で購入する意向があるか、またその意向はなぜか
  • (購入意向がなければ)その商品にたりない要素はなにか

などについて、サイト上でアンケートを実施することが可能です。
そのアンケート結果と、そのユーザー群の興味嗜好を掛けあわせていくことで記事広告の具体的な切り口を決定していきます。

ちなみに、こういった調査はブランドリフト調査などと呼ばれ、弊社のみならずさまざまなツールベンダーが商品展開をしています。

【企画展開】タイアップ記事広告公開とリターゲティング広告配信

事前分析をもとにタイアップ記事広告を制作・公開したら、そこにどういったユーザーを呼び込むかが重要です。
事前分析で作成したセグメントにむけて、タイアップ記事広告へ誘導するための広告配信をしていきましょう。

余裕があれば、

  • 見込み顧客の育成:
    購入意向があるが、購入頻度がさほど多くないユーザーにさらに記事広告によって商品の魅力を伝えていく
  • 認知拡大:
    まだ購入意向がないユーザーにだけ、広告を当てていきより認知の範囲を拡げていく

など、細かい施策も考えていきます。
ブランドリフト調査を単体で別会社に委託する場合は、そのままですとデータがシームレスに接続されていないため、上記のような1 to 1 コミュニケーションはハードルが高いケースがあります。

調査と並行してどうすればデータ接続できるか検討してみるのもよいでしょう。

また、タイアップ記事広告を読んでくれたユーザーでも、ユーザーそれぞれのライフスタイルを持ち、すぐに商品購入に至るとは限りません。

その際には、リターゲティング広告が有効になります。

「今は買いどきではないが、そのうち買う可能性がある」といったユーザーには、その商品を覚えておいてもらうために定期的なコミュニケーションが必要です。

記事広告を読んだユーザーに対してリターゲティング広告を定期配信することにより、ユーザーにその商品を覚えておいてもらう可能性を高めます。
このリターゲティング広告はタイアップ記事広告に誘導する必要はありませんので、遷移先は広告主のサービスページとするのがよいでしょう。

ただし、リターゲティング広告は特定のユーザーに対していわゆる「追いかける」広告で、ユーザーはweb上で追いかけられることに嫌悪感を感じるかたが非常に多いです。

そのため、広告の表示頻度・回数など、いわゆるフリークエンシーのコントロールは必須になります。

また、昨今の個人情報保護法施行の影響もあるため全てのユーザーに対してリターゲティングを行えるわけではなく、あくまでCookie利用を許可いただけているユーザーに対してのみ有効であることも留意しておく必要があります。

ユーザーにとって嫌悪感のないラインの選定は繊細で難しいものになりますが、ユーザーの視点に立って細やかに設定していくことが大事になります。

【事後レポート】ユーザーのストーリーを考察する

事後のみならず、施策の途中でもみていく必要がありますが、最後はレポートのご紹介です。

OTAKADでは、レポートも重要視しています。
どの指標を見ていくかはそのキャンペーンのKPIによって異なりますが、概ね必要になるのは

  • タイアップ記事広告ページの滞在時間、読了率データ
    • 可能であればセグメント毎に出せると望ましい
  • 商品サービスページの滞在時間、またコンバージョン数
  • (事後アンケートを実施して)ブランド認知率の増減

です。

なぜタイアップ記事広告ページの滞在時間まで取る必要があるのか。

タイアップ記事広告では、主にユーザーを認知→興味のフェーズまで持ってくることが可能です。

しかしながら、ユーザーがその場で購入するとは限りません。
「どこで買うのがお得なのか」をよく検討するかたもいらっしゃいますし、クーポンが発行されるのを待たれるかたもいらっしゃいます。BtoB商品であればなおさら導入機会はその場では決められません。

そのため、タイアップ記事広告で測るべきは「認知→興味のフェーズに至った、つまり購入の可能性が高まったユーザーの割合」です。

さらに求めるのであれば、購入の可能性が高まったユーザーに対してリターゲティング広告を配信するなかで どれくらいのユーザーが購入してくれたのか を常にレポーティングしておける状況が理想です。

極論ですが、すでにすべてのユーザーが購入してくれたにも関わらず広告配信をする必要はありませんね。

明確なストーリーと指標をもってレポーティングすることで、施策の意味と効果を正しく理解することが重要です。つぎの施策への架け橋にすることができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
立体的な企画のため解説が不足している部分があるかもしれませんが、ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

当コラムでは弊社商品のご紹介だけではなく、デジタルマーケティングに関するお役立ち情報を多数発信させていただいております。

Web担当者・デジタルマーケティング担当者のかた、ご興味ございましたらぜひご覧ください。

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