2024/05/18

Cookieレス時代のために。「ゼロパーティデータ」と「ファーストパーティデータ」

#データ活用 #デジタルマーケティング

近年、プライバシー保護の観点からCookieの使用が制限されるようになってきました。

Cookieとは、ユーザーがWebサイトを訪れた際に、その訪問ログをブラウザが保存しておく仕組みのことです。

ユーザーにとって利便性をあげるメリットがあるCookieではあるものの、プライバシーに関する懸念からCookie廃止に向けた動きが世界的に広がり、とくに広告運用においては課題が生じています。

広告運用における課題とはどのようなことなのでしょうか?

よく挙げられる課題として、Cookieを利用したターゲティングができなくなることで、より適切な広告を配信することが困難になるという問題があります。

それを解決するために、Cookieの代替として広告配信に活用できるデータが求められ、「ゼロパーティデータ」や「ファーストパーティデータ」など自ら収集するデータが注目を浴びています。

本記事では広告運用をお仕事とする方々を対象に、Cookieレス時代におけるゼロパーティデータとファーストパーティデータの活用方法について解説します。

ゼロパーティデータやファーストパーティデータのメリットデメリット、活用方法や、ゼロパーティデータとファーストパーティデータの比較についても述べ、どちらを活用するべきかについて考えていきます。

本記事を通じて、より効果的な広告配信を実現するためのヒントを提供できれば幸いです。



Cookieとは?

Cookieとは、ユーザーがWebサイトを訪れた際に、その訪問ログをブラウザが保存しておく仕組みのことです。

Cookieを利用することで、Webサイト運営者はユーザーの訪問履歴や興味関心などの情報を収集し、広告配信などのマーケティング活動に役立てることができます。

たとえば、ユーザーが特定の商品を購入した場合、その商品に関連する広告を表示することができます。

しかし、Cookieを利用することで、ユーザーのプライバシーに関する懸念が生じています。

Cookieで保存される情報は個人を特定できる情報ではないことから、日本の現行の制度では個人情報に当たらない情報であるとされているものの、

ユーザーの行動や性別・年齢などの属性情報を大量に収集すれば個人情報になりえたり、Cookieを利用してターゲティング広告を配信することで、

ユーザーにとって不快な体験になる可能性があるため、広告主側もユーザーに対する配慮が求められています。

Cookieレス時代の到来とその影響

そういった背景から、Webブラウザの開発会社はユーザー保護・プライバシー保護強化を推し進めており、Cookieを使った広告配信に大きな影響がでています。

たとえば、AppleのSafariやMozillaのFirefoxはCookieを制限する取り組みを進めていますし、

Google Chromeも延長を重ねていますが現時点では2025年1月よりサードパーティCookieを順次廃止していく方針を打ち出しています。

このような動きにより、Cookieを使った広告配信はますます困難になっていくと考えられます。

一方で、Cookieレス時代に重要となるのがゼロパーティデータとファーストパーティデータです。

ゼロパーティデータ

ゼロパーティデータとは、ユーザーが自ら提供した情報のことを指します。

たとえば、あるブランドのメールマガジンに登録している場合、そのユーザーはブランドに自らの情報を提供していることになります。

このような情報は、ユーザー自身の意思で提供しているため、Cookieにおけるプライバシー保護に関する課題とは切り離して考えられます。

ゼロパーティデータは、Webサイト運営者がユーザーに対してどのような情報提供を求めるかによって量と質が変わります。

具体的には、メールアドレス、年齢、性別、世帯年収、役職、購買履歴などが挙げられます。

ゼロパーティデータのメリットとしては、データの質が高いことが挙げられます。Cookie情報と比較して、ユーザー自身が情報を提供するため、より正確で信頼性の高いデータとなります。

一方で、Cookieデータと比較するとデータ量が限られてしまうのがデメリットとなるでしょう。

ゼロパーティデータを活用する際には、個人情報を取り扱う認識が不可欠です。
情報漏洩に関する対策はもちろんのこと、個人情報保護法や海外ではGDPRやCCPAといった取り決めがありますので、遵守する必要があります。

また、大前提として、提供されたデータによってどういった商いを行うのか、ユーザーに対して真摯な開示をしていく姿勢が重要になっていくでしょう。

ファーストパーティデータ

ファーストパーティデータとは、Webサイト・アプリ運営者自身が自社のWebサイトやアプリ内で収集したデータのことです。

ユーザーが自分のデータを許可することで、より正確な広告配信が可能になるゼロパーティデータとは異なり、Webサイト運営者自身が収集したデータです。

こちらもCookie情報ではありますが、第三者が取得するサードパーティCookieとは違い取得する情報量が自社サイト上のみと限られるため、上記のように個人情報特定や不快な広告体験に結びつきにくいという特徴があります。

そのためプライバシー保護に関する規制は受けにくく(受けることは受けます)正確性に欠けるところはありますが、情報量がゼロパーティデータより多いため、より広範な活用が可能です。

具体的な広告活用方法としては、特定の商品ページやカテゴリページを何度も訪問している場合、そのユーザーに対して関連商品の広告を配信する、であったり、

ユーザーのアクセスログと、読まれている記事を機械学習させることにより、ユーザーの興味や、今後この商品の購入を検討するだろうといった予測・推測をおこない、広告を配信する、といったより的確な広告配信や効果的なマーケティング活動を行うことが可能です。

OTAKADでの具体的な1st party dataの活用方法は下記記事をご覧ください。

広告配信におけるアフィニティセグメントの捉え方と実践

ただし、Cookie情報となることに変わりはありませんので、プライバシー保護に関する規制等には常に注意しておく必要があるでしょう。

このように、Cookieレス時代には、より正確な広告配信が可能になるゼロパーティデータとファーストパーティデータが重要になってくると考えられます。

ゼロパーティデータとファーストパーティデータの比較

前項の繰り返しになりますが、ここで両者の比較をまとめてみます。

収集方法

  • ゼロパーティデータ

ユーザーが自分自身の情報を提供することによって得られます。ユーザー提供型のため、質は高いですが、量が集まらないケースがあります。

  • ファーストパーティデータ

Webサイト運営者自身が直接収集することができます。Cookieベースのため、サイトの訪問数に応じてデータが集まるため、中・大規模にデータ収集することが可能です。

現時点(2024年5月)では収集のみであればユーザーの同意は不要ですが、第三者提供や広告の利用を行う際にはユーザーの同意が必要になる場合があります。

プライバシー保護に関する規制

  • ゼロパーティデータ

個人情報を収集する手段ですので、日本では個人情報保護法の規制があります。収集した情報は適切に管理する必要があります。

また、収集した情報の活用目的を利用規約等を通してユーザーに開示する必要もあります。

  • ファーストパーティデータ

ファーストパーティデータは、サイトのアクセスログがベースのため、ユーザーのメールアドレス等の個人と特定できる情報を併せて収集しない限り、個人情報にはなりません。

一方でデバイス側でデータ取得に関して規制を行っているブラウザもあるため、どのように・どれくらいのデータ量を収集できるのか事前に確認が必要です。

また、データの用途に応じてプライバシー保護の規制にも注意する必要があります。

データの信頼性

  • ゼロパーティデータ

ユーザー提供型データのため、信頼性は高いです。一方で、ユーザーが虚偽の情報提供を行う可能性もあるため、データを提供することによって得られるユーザーにとっての利益を丁寧に設計していかなければなりません。

  • ファーストパーティデータ

Webサイト運営者側が取得するデータで、主にユーザーの行動データであり、サイトのアクセス量がそのままデータ量になるため、ゼロパーティデータと比較してデータ量が膨大になります。

利用用途によりますが、データをどのように加工・整理するかによって信頼性が変動していきますので注意が必要です。

まとめ

今後、Cookieの使用が制限されることに伴い、広告運用を行う上でゼロパーティデータとファーストパーティデータの活用がより重要になってきます。

ゼロパーティデータは、直接ユーザーから得られるデータであり、ファーストパーティデータは自社で収集したデータです。

それぞれのメリット・デメリットを整理した上でこれらのデータを活用することで、より正確なターゲティングやより効果的な広告運用が可能となります。

しかしながら、ゼロパーティデータとファーストパーティデータを収集するには、ユーザーの同意形成や理解が必要となります。

ユーザーが自ら情報を提供することに抵抗感を持つ場合もあるため、利便性を高めた提案や、セキュリティ対策の徹底などが求められます。

今後ますますユーザー中心のマーケティングが求められる中、適切なデータの収集と活用が重要となってくるでしょう。


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